ベアリングって何?ラジアル荷重とスラスト荷重についてもわかりやすく解説!

機械

ベアリングとは

ベアリングは以下のような形状のものです。日本語では軸受といいます。

玉軸受(ボールベアリング)

回転する部品同士の摩擦を減少させるために使用されている重要な機械部品で、この部品がなければ私たちはショッピングカートも動かせないし、車も動かせないし、ローラースケートに乗ることもできません。モノづくりを行う上で、回転する箇所がある場合必ずと言っていいほどにこのベアリングが使われています。いいベアリングが作れるかがその国が技術力を持っているかを判断できるほど重要な部品です。(日本やドイツが強いです)

日本でベアリングで有名な会社は、日本精工株式会社・NTN株式会社・ジェイテクト株式会社などがあります。

ベアリングはどこに使われているのか

ベアリングの使われ方は主に下記の二種類です。

スケートボード

スケートボードのタイヤの中に使われています。タイヤの回転をなめらかにすることで、走行時の抵抗を少なくする役割があります。スケートボードに使われるベアリングは後程出てくるラジアル荷重に適したベアリングが使われています。

円卓

中華料理を食べる際の円卓にも使われます。この円卓は、上に食材を乗せて使用するもので自分の席の目の前にある料理で食べたい分だけ取って回次々と円卓を回転させて上に載っている料理も回転させていきます。自分は動かずに料理を動かしてごはんを食べる形式で、ちょっといい中華料理屋さんで使用されたりします。円卓を回転させる際はスラストベアリングが使われているため、抵抗も少なく回転することができます。

この円卓に使われるベアリングは後程出てくるスラスト荷重に適したベアリングが使われています。

 

ラジアルベアリングとスラストベアリング

ラジアルベアリングはラジアル荷重に対応したベアリング。

スラストべエアリングはスラスト荷重に対応したベアリングです。

ただ、ラジアル荷重とスラスト荷重は理解が難しいので以下にわかりやすく説明します。

昔の人は石を運ぶのに苦労した

以下のような状態を想像してください。

1000kgの石を地面でひきづって動かしてくださいといわれたとします。

ふつうは無理です。

なぜなら石と地面の間に摩擦力が生じており、動きづらいからです。

ところがどうでしょう。

以下の図のように石の下に丸太をおけば動かせそうじゃないでしょうか。

このころ(丸太)の役割がベアリングが果たしている役割です。

科学的にいうと、面接触を点接触に変えて摩擦力を減らしています

ニュアンス的には間に丸太をおいて動かしやすくしてるんだなあという認識で大丈夫です。

この話が理解できればラジアルベアリングとスラストベアリングの違いと役割を理解することができます。

ラジアルベアリング

実際に以下にスケボーに使われているベアリングの模式図を作りました。

タイヤ部分を外側から見てみると、外側からタイヤ・ベアリングの外輪・ベアリングの玉・ベアリングの内輪・スケボー本体から出ている軸という構成のなります。

スケボーの場合、軸と垂直方向から足で踏みます。この時にかかる荷重(力)をラジアル荷重といいます。スケボーに使われているベアリングはこのラジアル荷重をうまく受けることによって、するすると動く構造になっているわけです。

この時、タイヤと外輪はくっついておりスケボーで動いているときはくるくると回転します。内輪はスケボー本体についている軸がはめ込んであるので回転しません。この内輪は回転せず、外輪は回転する動きを支えるのが玉です。丸太と同じような役割ですね。

このラジアル荷重を受けるのに適したベアリングをラジアルベアリングといいます。

例として、深溝玉軸受などがあげられます。

深溝玉軸受 | 軸受(ベアリング) | 製品情報 | 日本精工(NSK)
深溝玉軸受の製品詳細をご紹介。深溝玉軸受はベアリングの中でも最も一般的なタイプで、さまざまなアプリケーションで使用されています。製品カタログやCADデータもご確認いただけます。

スラストベアリング

次にスラストベアリングは円卓的な形で利用されているテレビ台のターンテーブルで模式図を作りました。

ベアリングを上から見ていくと、軌道盤(上)・玉・軌道盤(下)・軸という構成になっています。

ターンテーブルの場合、軸と同じ方向からテレビ台の荷重がかかります。この時にかかる荷重(力)をスラスト荷重といいます。テレビ台に使われているベアリングはこのスラスト荷重をうまく受けることによって、するすると動く構造になっているわけです。

この時、テレビと軌道盤(上)はくっついておりテレビを回転させるときは一緒にくるくると回転します。軌道盤(下)はテーブルなどの上にのっており、回転しません。この軌道盤(下)は回転せず、軌道盤(上)は回転する動きを支えるのが玉です。こちらも丸太と同じような役割ですね。

このスラスト荷重を受けるのに適したベアリングをスラストベアリングといいます。

例として、スラスト玉軸受などがあげられます。

スラスト玉軸受 | 軸受(ベアリング) | 製品情報 | 日本精工(NSK)
スラスト玉軸受の製品詳細をご紹介。日本精工(NSK)のスラスト玉軸受は、高速作動時にスラスト荷重を受けるよう設計されており、玉が転動する軌道溝を持ったワッシャー状の軌道盤で構成されています。製品カタログやCADデータもご確認いただけます。

ショッピングカートに使われるベアリング

最後に、ショッピングカートに使われるベアリングで復習しましょう。

ショッピングカートのタイヤにはスラストベアリングとラジアルベアリングの2つがついています。

スラストベアリングの役割は方向転換でくるくると回転させる際の摩擦を減らす役割、ラジアルベアリングはショッピングカートを動かすときの進行方向のタイヤをくるくると回転させる際の摩擦を減らす役割を持っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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